「そんなつもりじゃなかった……」と嘆いても、あとの祭り。スポーツジムにママ友、職場など、イヤと言えずに人づきあいで泣きを見た人たちが告白します。牧田さん(仮名)には、頼まれごとはつい引き受けてしまう一面があって…(取材・文=福永妙子)

断って相手が機嫌を損ねるのが怖い

嫌われたくない──都内で働く牧田京子さん(49歳、仮名=以下同)は、人一倍その思いが強い。頼まれごとはつい引き受けてしまう。それが自分には明らかに無理なことであってもだ。結果、いろいろ問題を引き起こしてきた。

「昔からそう。たとえば、歌手のライブチケットも、友達に頼まれれば『任せて』と返事しちゃう。毎日パソコンと電話を駆使して入手方法を探ったり、ツテを頼りになんとか手に入れようとしたが、失敗。直前に『やっぱりダメだった』と言って、友達に呆れられたとか。

でも、断って相手が機嫌を損ねるのが怖いんです。それに、頼まれるってことは能力を買ってくれているわけだから、嬉しくて『やるよ』となっちゃう。で、自分のキャパを超えて、手に負えなくなるんですけど……」

1ヵ月前もそうだった。彼女は、小さな食品メーカーの広報部に勤務。同僚から「新商品をおしゃれな場所で撮影したいから協力して」と頼まれ、自分の仕事も山積みなのに断れず、「撮影に合う店を探すよ」なんてことまで口走ってしまったのだ。

撮影日は近づけど、仕事も減らず、いい店も見つからず、パニック状態に。2日前になって、同僚の「そろそろ場所を教えて」という催促に「ゴメン」とギブアップ。店探しは同僚に任せたものの、「撮影はしっかり手伝うからね!」と言っていた。