デビュー20年を機に開設したインスタグラムのアカウントは、ファンのみなさまとの交流の場所であるとともに、私がいま関心を持っていることを直接発信できる場所になっており、とても楽しんでいます。
ファッションが大好きなので、レディースや、ミニパンを穿いたり……。フォロワーのみなさんが「綺麗」「似合ってる」と言ってくださるのが純粋に嬉しいし、素敵なカバンやサンダルを買ったら、やっぱりみんなに見せたいじゃないですか。手料理や育てている植物も折にふれてアップしています。
自分の好きなものを追求し、自分の感性のおもむくままに生きられるのは、幸せなことだなあと改めて思いますね。心と体のバランスがとれているいまの状態は、本当に健康的で心地いいんです。
台所に立つ母の背中を見ていた
子どものころから美しいものが大好きだったので、もっと見たり、触れたりしたかった。でも、うちは裕福なほうではなかったから期待しちゃいけない。早く働こう、稼げる人になろう、さらに言えば、自分が両親の父になり母になろう、と。子ども心に、そんなふうに思っていた節がありますね。
将来は歌手になりたい、と思ったのは小さいころですが、具体的に「演歌歌手になろう」と決めたのは、16歳のときです。1990年代後半、当時の高校生100人に好きな歌を歌わせたら、100人ほぼ全員がポップスを歌ったと思うんですよ。でも私は、演歌と出会って、「これだ!」と思いました。
演歌の魅力にハマったのはもちろんですが、若い男が演歌を歌ったらどうか? と。みんなと同じではなく、違う道で勝負してみたかった。目指すべきはここだ、と思いました。その考えは当たって、オーディション番組に出たら作曲家の先生から声がかかり、上京することになったのです。