2022年5月8日、東京・両国国技館で開幕した大相撲夏場所。「大関と横綱の優勝争いを」と期待するファンも多い中、波乱の幕開けとなった。『婦人公論』愛読者で相撲をこよなく愛する「しろぼしマーサ」が今場所もテレビ観戦記を綴ります。

「荒れすぎの春場所、優勝は新関脇・若隆景。元大関・高安はあと一歩で優勝を逃す。影の主役は二人に勝った大関・正代か?」はこちら

期待した気持ちが一気に心配へ

大相撲夏場所が東京・両国国技館で始まった。
前日に新聞で初日の幕内取組表を見て「熱戦が期待できる」と喜んだ。
初日は、「あ〰、あ〰、あ〰」という合唱が流れ、国技館の上に飾られる優勝額の除幕式に臨む先場所優勝の関脇・若隆景の姿を見て思った。
「若隆景には大関になって欲しいが、今場所こそ横綱と大関が優勝争いをして欲しい」と。

しかし、期待した気持ちが一気に心配へと変わった。初日に、横綱と大関で勝ったのは大関2場所目の御嶽海だけだった。

先場所途中休場した横綱・照ノ富士は先場所負けた小結・大栄翔に押し出され、大関・正代は前頭2枚目・霧馬山に寄り切られ、大関・貴景勝は前頭2枚目・琴ノ若に押し出された。「残念、明日がんばって!」という熱戦ではなく、3人とも一方的に敗北した。照ノ富士は膝の調子、貴景勝は首の状態、正代は立合いという心配だらけの幕開けとなってしまった。

勝った御嶽海の対戦相手は、先場所、関脇・若隆景と優勝決定戦をして敗れた前頭筆頭・高安である。「高安が根性で勝つ」と思ったら、立行司の式守伊之助が御嶽海とぶつかり、土俵に落ちて這い上がった。すぐ土俵に上がれた式守伊之助はすごいが、この接触は勝負に影響しなかったのだろうか?影響していなくても、行司が力士にぶつかるのはよくない。高安ファンにとっては気になりすぎる。「近寄るな、力士は土俵で止まれない」と行司部屋に標語を張った方が良い。