清水 娘さんのひと言で気持ちが一気に、仕事復帰のほうへ傾いていったわけですね。

 そうです。がんは取ってしまったからもうないし、お医者さんは社会復帰していいとおっしゃってくださっている。人前へ出てどういう反響が出るのか怖かったのですが、このままずっと「恥ずかしいから」とがんに隠れて引っ込んで暮らしていくのかと自問自答を繰り返しました。それで思い切って出演したのが、その少し前からオファーをいただいていたテレビ朝日の番組「徹子の部屋」でした。

 

がんになっても恥ずかしがる必要はない

清水 反響はいかがでしたか?

 想像以上に皆さんから温かいメッセージをいただけて。それがものすごく励みになりました。前を向いて仕事をしていこうと思うきっかけになりました。

清水 それはよかったです。堀さんのようにがんであることを恥ずかしいと思われる方はわりといらっしゃいます。化学療法で髪が抜け落ちてしまって恥ずかしい、乳がんで乳房を切除したので温泉で誰かに見られるのが恥ずかしいとか。堀さんがなぜそのときに恥ずかしいと思われたのか、その心情をもう少し詳しく聞かせていただけますか?

『今はつらくても、きっと前を向ける』(著:堀ちえみ・清水研/ビジネス社)