2023年1月8日、東京・両国国技館で始まった大相撲初場所も本日いよいよ千秋楽。先場所は阿炎の初優勝で幕を閉じたが、今場所はまたも横綱不在。見どころ満載、どんな優勝争いが繰り広げられるのか?『婦人公論』愛読者で相撲をこよなく愛する「しろぼしマーサ」が今場所もテレビ観戦記を綴ります。

前回「大相撲初場所、連日、突き押し炸裂。中日を終え1敗は大関・貴景勝、前頭13枚目・琴勝峰。2敗で追うのは関脇・豊昇龍、前頭筆頭・大栄翔ら6人」はこちら

相撲って結局ジャンケンみたいなものだ

大相撲初場所の幕内優勝は、3敗同士の大関・貴景勝と前頭13枚目・琴勝峰の直接対決で決まることになった。

十両では、14日目に元大関で今場所は十両12枚目・朝乃山が、13勝1敗で優勝した。朝乃山は、コロナ感染予防の日本相撲協会のコンプライアンス違反で6場所の出場停止となり、三段目に落ちてから這い上がってきた。千秋楽も勝って、早く幕内に戻ってきてほしい。

幕内に話を戻すと、優勝を決める一番が大関と前頭13枚目というのが、最近の大相撲の混戦ぶりを表している。12日目のNHKテレビで、実況の戸部眞輔アナウンサーが、「宇良が、相撲って結局ジャンケンみたいなものだ、と言っていました。グーはチョキには勝てるが、パーには負けるということらしい」という話をしていた。上位力士が勝ち続けることがなく、気がつけば、下位の力士が優勝争いに参加している。絶対王者のいない今の大相撲にピッタリの表現である。

郷ひろみの最近の歌を思い出した。「ジャンケンポンGO!!」だ。番付に関係なく、勝つ人は勝つので、それで進んでいく。

14日目を終えた時点で、3敗の貴景勝と琴勝峰を追うのは、4敗の小結・霧馬山と前頭8枚目・阿武咲となった。もっと千秋楽の取組をややこしくしてほしかった。

貴景勝には14日目にやっと勝ち越した関脇・若隆景を、琴勝峰には霧馬山を対戦相手にしてほしかった。本割で貴景勝と琴勝峰が勝ち、その後、二人の優勝決定戦が見たかった。