お笑い芸人のアンガールズ・田中卓志さんが初エッセイ集『ちょっと不運なほうが生活は楽しい』を著しました。今年で芸歴23年、今までの人生を振り返った内容は、思わず笑ってしまう話から胸を打たれる出来事まで悲喜こもごも。今回は、ビビる大木さんとのエピソードについて綴った「待て! そこの新選組!!」をご紹介します。芸歴1年目の頃、ほぼ大木さんと共に時間を過ごしたそうで――。
急に決まった京都旅行
それからしばらくして、大木さんから「今日と明日空いてる?」とメールが入った。
詳しく聞くと、今夜から京都に旅行するんだけど、車で行くから、ドライバーをやって欲しいとのこと。
僕は、京都に行くなんて小学生の修学旅行以来なので、喜んでオッケーしたものの、出発が深夜0時。またもや睡魔との闘いだった。
何でいつも大木さんは真夜中に行動するのだろうと思ったけれど、テレビに出ている人は忙しいから、こうやって僅かな隙間を縫って旅をして、自分の引き出しを増やしていくしかないのだと、今ならわかる。
0時に集合して高速道路で5時間。京都に到着すると流石に大木さんもクタクタで、朝5時に少しでも安いところと、ラブホテルに泊まった。と言っても寝たのはたったの2時間だけ。