淡い期待も見事に砕け散って

結婚して2年、長男を妊娠。当時は今のように育児休業の制度などもなく、つわりもひどかったので、退職することにした。「子どもが生まれたら、パチンコと借金はやめてくれるのでは」と淡い期待を抱いてみたが、その思いはすぐに打ち砕かれた。

「借金しちゃってさ。60万」。夫は、サラ金からの借金がある程度の額になると言い出す。やっとの思いで月に数万円ずつ返済し、ゼロに近くなるとまた新たな借金が発覚するのだ。

困っていることを義母に伝えると、「まだパチンコやってるの? 子どももいるのに困ったわね」とまるで他人事のよう。実は夫は独身の頃からパチンコで借金を繰り返し、いつも義母が尻拭いをしていたのだ。

長男が生まれてから5年後に次男を授かったが、夫はパチンコをやめるどころか、ますますハマるようになっていった。というのも、次男の誕生直後に転職して給料が上がったからだ。掛け金が多いと燃えるのがギャンブラー。ある日、430万円の借金を打ち明けられた。このときのショックは今でも忘れられない。

またあるとき、数日間、駐車場に車がないので不思議に思っていると、夫が「会社に置いてきた」と言う。しかし中古車販売店から電話があり、夫が車を売っていたことが判明した。買ったばかりでまだローンも残っているというのに、さすがにおかしい。いろいろ調べていくなかで、「パチンコ依存症」という言葉に出会った。夫の状態にいくつも重なるところがあった。夫は依存症だったのだ。

数年前、ついに夫は自己破産し、借金はゼロになった。だがその後に義父母が亡くなり、いくらかまとまったお金が入ると、今度は株に手を出しているようだ。夫のお金である以上、私にはどうすることもできない。

そしてこの頃は、モラハラも加わってきた。ちょっとしたことで怒鳴る。ねちねち文句を言う。口答えしようものなら、倍になって返ってくる。不思議なもので、夫にバカバカ言われ続けると、自分が本当に価値のない人間に思えてくる。