撮影:小林ばく 東京都・六義園にて
甘いマスク、鍛え上げられた肉体……。近頃、テレビで見かけることが増えたまるでハリウッドスターのようなあの人。その正体はなんと庭師! 日本の伝統文化をこよなく愛し、帰化までした村雨辰剛さんのこれまでと、日常とは?

日本ならではの美意識は僕の性格にぴったり!

2018年は『みんなで筋肉体操』(NHK)という番組に出演した影響で、ありがたくも趣味の筋トレについての取材が増えました。ただ、僕の本分はタレントではなく、庭師です。

僕は23歳の時、庭師の世界に入りました。愛知県で修業を終え、現在は造園を請け負う都内の会社で働いています。12月は庭師にとって書き入れ時。お客様は庭を整えて新年を迎えたいですから。僕の勤める会社にも仕事がたくさん入っています。

都内には素晴らしい庭園が多いですね。僕も休みの日には、よく出かけています。今回撮影させていただいた六義園にも、何度か足を運びました。美しく手入れされていて、好きな庭園の一つです。僕が日本庭園に惹かれるのは、伝統を大事にするところや、日本ならではの物の見方や美意識──わび・さびや味──が表れるところ。石一つとっても、顔があり、置き方があります。それぞれの木にも適した切り方があって……とすべてに意味がある。ルールが決まっているのが好きな、僕の性格にぴったりでした。

この六義園でも、松の幹にワラが巻かれていますよね。これは「こも巻き」といって伝統的な松の冬支度。もともとは松につく害虫を冬の間にワラに誘い込み、春になったらワラごと焼いて駆除するためのものでしたが、現代になって調べたら、効果がないことがわかった。でもやめずに、伝統として残している。そんな来歴を聞くと、いいなあと思います。

ところが最近、新しく日本庭園を造ろうという人はほぼいません。それどころか、日本庭園の解体に関わることのほうが多いんです。現状を目の当たりにしてショックで……。

昭和の時代は、サラリーマンが出世して家を建てるとなったら、一緒に日本庭園を造るのがならいだったというじゃないですか。それが今は、庭はいらない、木もいらない、灯籠もいらない、と言ってどんどん解体していく。寂しいですね。本当に。