撮影:北川外志廣、読売新聞写真部
2020年の1月2日・3日に行われる第96回の箱根駅伝は、前回、初優勝を飾った東海大、強豪校の青山学院大、東洋大、駒沢大、前哨戦の出雲駅伝を制した国学院大が「5強」と呼ばれ、激しい優勝争いが予想されます。

安定した実績を残している法政大、躍進著しい東京国際大が「5強」の一角を崩すことができるのか、さらに前身の東京高等師範学校時代に第1回大会で優勝した筑波大が26年ぶりの箱根路にどんな足跡を残すのか、見どころは尽きません。

実力と精神力を兼ね備え、スランプすらも糧にして、チーム全体を牽引する者が駅伝のエースとなります。『箱根駅伝ガイド決定版2020』(読売新聞社・編)では、群雄割拠といわれる今大会で、自らの限界に挑戦し、箱根路の記録を塗り替えようとするエースたちを取材しました。今回取り上げるのは、東洋大学4年生の相沢晃選手です。

※『箱根駅伝ガイド決定版2020』(読売新聞社・編)「“戦国駅伝”に挑むエースたち」から一部抜粋

全日本で10人抜きを達成

一人、次元が違った。全日本の3区、中継所を11位で飛び出すと、大きなストライドと速いピッチを兼ね備えた雄大なフォームで、前を行く走者を並ぶ間もなくごぼう抜き。6キロ付近で先頭に立ち、早々と10人抜きを達成した。

『箱根駅伝ガイド決定版2020』読売新聞社・編

10キロの通過タイムは、自身の時計で27分47秒。1万メートルの自己記録を大きく上回るペースで終盤に入ると、酒井俊幸監督の「休むなっ、休むなっ」の声に応え、最後まで力強く走りきった。区間2位に55秒の大差をつけた圧巻のレースに、「トップも取れたんで、今日は100点と言えますかね」とはにかんだ。

前回の箱根4区で、ほぼ同じコースだった1999年大会の駒大・藤田敦史(当時4年)の記録を2秒上回り、7月のユニバーシアードではハーフマラソンで優勝。学生長距離界のエースとの評価は揺るぎない。ただ、今季前半を終えた時点の自己評価は「50点」と低かった。それは、来年の東京五輪出場に向け、力を入れたトラック種目で思う結果が得られなかったからだ。