「現実を受け入れられるまでが苦しかった。あれも嘘だった、これも嘘だったと数え始めたら、悔しくて眠れない日が続いた」(カイヤさん)(右は岡野あつこさん/撮影:須藤夕子)

岡野 娘さんと麻世さんは絶縁状態だったのよね? 1999年にカイヤがニューヨークロケに行ってる隙に麻世さんが女の人を家に呼んでいたのが原因だったと聞いたけど。

カイヤ 10歳だった娘はすごく傷ついて、もうお父さんじゃないと。17年の時点では28歳になってたけど、相変わらず会いたくないと言ってた。でも私は家族としてやり直せるかもしれないと思ってたから、「会ったほうがいいんじゃない?」と娘を説得した。そうしたら、わかりましたと。彼が誓約書にサインしたら会ってもいいですと言い出したの。

岡野 誓約書って?

カイヤ 娘は「現在、川崎カイヤに対して起こしている訴訟の全てを取り下げる」「今後、川崎カイヤに対して訴訟を起こさない」などと記した公正証書を作成した。麻世はブーブー言いながら、でもサインはしたの。

岡野 それはいつ?

カイヤさん、麻世さんのこれまで

カイヤ 17年の12月。麻世と娘は18年の1月に再会して、家族4人で大阪に住んでる麻世のお母さんに会いに行った。ああ、幸せが戻ってきたと思ったけど、あれが家族としては最後。結局、麻世は離婚訴訟を取り下げなかったから。あの約束は何だったのかとショックだった。

 

現実を受け入れられるまでが苦しかった

岡野 その頃が一番つらかったんじゃない?

カイヤ よくわかるね。あつこさんのところに、夫から「離婚して」と言われた人は相談に来る?

岡野 実は多いの。昔は夫と別れたいという相談者が9割だったけど、今は夫から離婚を切り出されてしまったという相談が4割以上。

カイヤ そんなに!

岡野 夫から離婚したいと切り出された妻が辿る心の4ステップというのがあって、「こんなはずではなかったのに」という想いを経て、次に来るのが「なんで私が」という理不尽な想い。そこから「できるなら時間を巻き戻したい」と心が揺さぶられ、最後に残るのが「これからどうなるのだろう」という不安。

カイヤ 全部、私が経験したことだよ。現実を受け入れられるまでが苦しかった。あれも嘘だった、これも嘘だったと数え始めたら、悔しくて眠れない日が続いた。

岡野 不安というのは経済的なこともあるけど、寂しさに耐える自信がないというケースも多いの。その場合には、「離婚サポート」を行う以前に、「修復サポート」をする必要があるというのが私の考え。せっかく縁あって一緒になったのだから、互いに歩み寄って元の鞘に収まることができたら、それが一番だもの。