「ドラえもんをつくる」という夢の実現に向け、さまざまな活動に取り組む大澤正彦さん。AIの未来からエネルギー問題まで、鋭い分析とユニークな視点で熱く語ってくれました

大人たちよ、子どもの夢をつぶすな!

竹内大澤さんは学生であり、AIの研究者であり、「全脳アーキテクチャ若手の会」の創設者でもあり、さまざまな顔をお持ちです。でも『婦人公論』の読者には、あえて「ドラえもん研究者」とご紹介したいのですが、どうでしょうか。

大澤そう呼んでいただけるのは、すごくうれしいです。現在の僕は、慶應義塾大学大学院理工学研究科博士課程に在学中で、神経科学、認知科学の知見を参考にした人工知能(AI)の研究をしています。生物の脳やAIに関するコミュニティである「全脳アーキテクチャ若手の会」を創設し、代表も務めていました。僕にとってそうした活動のすべては、ドラえもんをつくるというゴールに繫がっています。小さいころからドラえもんをつくりたくて、今もその夢に向かって歩み続けているんです。ですから、自分がもし「ドラえもん研究者」と呼ばれるようにまでなれたのなら、どんな立派な肩書きより、一番うれしいんです。

竹内のび太くんとドラえもんみたいに、人間とロボットが幸せに暮らす未来を目指しているのですね。

大澤未来の社会に貢献したいのはもちろんですし、人々の役に立ちたいと思っています。でも、根本的にはドラえもんをつくりたくて仕方ないだけで、それには何の理由もないんです。物心もつかないほど幼いころからドラえもんがつくりたくて、それは、食べたいとか寝たいと思うのと同じぐらい自然な欲求でした。ところが、大人に話すと鼻で笑われてしまい、僕は悲しくて、「どうすればドラえもんをつくる人生を送れるんだろう」と、ずっと考えていました。

竹内うちの娘は今年10歳になりますが、もし娘から「ドラえもんをつくりたい」と言われたら、一瞬は驚いたとしても応援したくなると思います。そのためにはどんな勉強をすればいいかアドバイスしてあげて、夢を叶える姿を見守りたいですね。

大澤そんな理解ある大人は少数派ですから、本当にうらやましいです。これはツイッターからの情報ですが、あるお父さんが小学校で、「児童たちが将来の夢を発表する」という授業を参観したとき、息子が「サッカー選手になりたい」というのを聞いて不思議に思ったそうです。そんな話は一度も聞いたことがなかったからで、改めて息子に「サッカー選手になりたかったのか?」と聞いたら、「そうじゃなくて、ドラゴンになりたいって書いたら、先生に直されてサッカー選手になった」と答えたとか。でもそのお父さんは、「ドラゴンになりたいという息子の夢を応援する」とツイートしていて、僕は思わず「いいね」を押してしまいました。

竹内その子がドラゴンになりたいという夢を追求していったら、空を飛んだり、火を吐いたりする技術が必要になって、その分野で最先端の研究者になるかもしれません。大澤さんだって、ドラえもんをつくりたいという夢をあきらめずに追求したからこそ、AI研究者としての今があるわけですから、子育て中のお父さんお母さんにあえて言いたいと思います。「それが突拍子もない夢であっても、子どもたちをぜひ応援してあげてください!」と。ただしその大前提として、子どもたち自身が自分の夢をみつけなければなりません。そのためには、いろいろな経験をさせてあげるのも大事ですね。