「背中を追いかけたいと思える先輩に出会えたことは僕の財産です」(撮影:小林ばく)
『侍戦隊シンケンジャー』でブレイクした相葉裕樹さんは、現在ミュージカルで引く手あまたの存在に。転機になったのは──(撮影=小林ばく 取材・文=婦人公論編集部)

追いかけたい背中

芸能界に入ったのは高校2年の時です。当時はまさか、ミュージカルに深く関わることになるなんて想像もつきませんでした。キャリアを積むなかでそういう分野があると知って、27歳の時の『ラ・カージュ・オ・フォール』公演で、目標が定まりました。

日生劇場の舞台に立ち、「次は帝国劇場を目指したい」と思い始めて。その目標は29歳の時、『レ・ミゼラブル』で達成。現在はさまざまな舞台で勉強する日々です。

『ラ・カージュ・オ・フォール』では、僕にとって大きな出会いもありました。今もミュージカル界の第一線で活躍し続ける市村正親さんです。市村さんは愛に溢れる人。僕が今の事務所に入る前、悩んでいた時に本気で心配してくださいました。背中を追いかけたいと思える先輩に出会えたことは僕の財産です。

スタートが遅かった僕は、楽曲一つ覚えるにも時間がかかります。今は一つ一つの作品に全力で応えたい。3月には日本初演のミュージカル『アナスタシア』で、ディミトリ役を演じます。自分にしかできない演技をしたいですね。
 

※ミュージカル『アナスタシア』は、新型コロナウイルス感染症の感染予防・拡散防止のため、3月8日までの公演が中止になっています。今後の公演情報は、公式サイトでご確認ください