【重要文化財】《振袖紅紋縮緬地束熨斗模様》江戸時代・18世紀京都・友禅史会蔵前期展示(〜5/10)

世界に誇るべき日本の美! 最高級の小袖が一堂に

本展「特別展 きもの KIMONO」は、鎌倉時代から現代まで、800年以上に及ぶきものの歴史を通覧する、日本初、かつてない規模のきものの展覧会である。鎌倉時代、鶴岡八幡宮に奉納された現存最古のきものをはじめ、織田信長や天璋院篤姫(てんしょういんあつひめ)など歴史上の人物が着用した衣装、江戸時代における京と江戸それぞれのモードや、20世紀初頭に庶民が着ていた奇抜なほどにモダンなきものなど、各時代の流行やデザインの変遷を、風俗屛風や浮世絵などの絵画も合わせて、200件以上の作品で紹介する。実際のきもので各時代のファッションを追うことができる本展は、まさにきものの壮大な歴史絵巻といえるだろう。

【重要文化財】《小袖白綾地秋草模様》尾形光琳筆江戸時代・18世紀東京国立博物館蔵

同時に、染や刺繡、金銀の摺箔(すりはく)など、各時代のきものにさまざまな技術が見られる本展は、工芸的な部分にフォーカスしてみても面白いはず。たとえば、きもの全体に熨斗(のし)模様をあしらった大胆なデザインの《振袖紅紋縮緬地束(べにもんちりめんじたばね)熨斗模様》は、江戸時代中期における友禅染(ゆうぜんぞめ)の最高傑作。熨斗の一筋一筋に繊細な色挿しがほどこされている。いったいどんな人物が袖を通したのか?友禅染の歴史とともに、その背景も興味深い。出品作のなかには、実際に絵師が直接図柄を描いたものもある。「冬木小袖(ふゆきこそで)」の名称で知られる《小袖白綾地秋草模様(しろあやじあきくさもよう)》は、京都出身の尾形光琳が、江戸で寄宿した材木商・冬木家の奥方のため、白小袖に秋草図を描いたもの。光琳が直接小袖に描いた作品で、完全なかたちで残っているものは、この「冬木小袖」一領のみである。こうした作品を含め、ぜひ日本独自の美の世界を堪能したい。

 

 

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神出鬼没のあの才能が横浜に

ハート形の赤い風船が少女の手から離れ、ふわふわと飛んでいくさまを描いた《GIRL WITH BALLOON》。2018年、ロンドン・サザビーズのオークションで、落札された途端に額縁の中の作品が動き出し、内蔵されていたシュレッダーで切り刻まれた様子をニュースで見た人は多いだろう。

作者のバンクシーは、イギリスを拠点に活動する匿名の芸術家。最近では「バンクシー作品らしきネズミの絵」が東京湾近くで見つかって世間を騒がせたように、世界中のストリートや壁、橋などに、風刺のきいた作品をゲリラ的に残していく手法が知られている。

本展「バンクシー展 天才か反逆者か」はそんなバンクシー芸術の全貌を知ることができる展覧会だ。オリジナル作品や版画のほか、世界中の壁面に描かれた彼のグラフィティアートも、大型パネルなどで紹介されている。ナゾのアーティスト・バンクシーのイメージが、少しはつかめるかもしれない。彼がパレスチナ自治区内にオープンした、ホテルの内装も見ものである。

Banksy《GIRL WITH BALLOON》SCREEN PRINT 50×70cm 2003 PROVIDED BY LILLEY FINE ART/CONTEMPORARY ART TRADER

 

 

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秘仏も公開国宝、重要文化財を惜しみなく

「西国三十三所」は、1300年の歴史を誇る、日本最古の巡礼路。養老2年(718)、大和国長谷寺の開基・徳道上人が、閻魔大王のお告げを受けて定めたとされる観音霊場だ。本展では京都・頂法寺の秘仏《如意輪観音坐像》をはじめ、各札所の至宝を公開する。長谷寺に伝わるため「長谷寺経」と呼ばれる《法華一品経(ほけいっぽんきょう)》なども必見。金銀箔や砂子などを使った贅沢な料紙に書写された、鎌倉時代前期を代表する優美な装飾経である。

【国宝】《法華一品経観世音菩薩普門品第二十五》(長谷寺経のうち)(部分)鎌倉時代(13世紀)奈良・長谷寺(5/12〜31展示)