思い出に残るジャニーさん(1)
思い出に残るジャニーさん(2)
思い出に残るジャニーさん(3)

 

ジャニーズの持っているストレンジさ

矢野 変化と言えば、やっぱりタッキー(滝沢秀明)がジャニーズ事務所副社長、ジャニーズアイランド社長に就任したことですよね。ジャニーさん亡きあとプロデューサーとして采配を振っていますが、ジャニーさんが仕切っていた頃とは結構やり方が違う。

近田 今年の1月に同時デビューしたSnow ManとSixTONESを競わせたのなんか、その最たるものだよね。そもそもジャニーさんって、何を考えてるかわからなかったじゃない? ジャニーズの持っているストレンジさって、ジャニーさんから生まれていたものなんだなとつくづく思うよ。

矢野 そのストレンジな部分とかジャポニズムを、タッキーも踏襲しようとしていると思うんです。舞台『滝沢歌舞伎』の腹筋太鼓などもそうですし。ただ、まったく同じにというのは無理ですよね。ジャニーさんはワン&オンリーなわけですから。

近田 時代が変わり、昔と同じことをするのが難しくなってきたという事情もある。ジャニーズらしさというのは、ある意味リアルを見せないところにあった。でも今はアイドルである前に生身の人間であるということを、アイドル自身が口にする。これまで芸能事務所は、彼らを「虚」の部分で生かすことに情熱を傾けてきたけど、それにも限界がきているよね。

矢野 インターネットやSNS全盛の時代には難しい。もちろんアイドルが生身の姿を見せてくれることが嬉しい、という声もあるのでしょうが……。

近田 どうしたって“らしさ”は失われていく。でも、やっぱり彼らが無理しているところにファンはお金を払っているんだもん。昔はどのアイドルも持っていた虚の美学――ジャニーズで言えば、不良性のなさや、結婚しないという、リアルじゃない感じ。それを最後まで貫いていたのが、ジャニーさんがご存命だった頃のジャニーズだったんじゃないのかな。

矢野 僕も近田さんと同じ意見で、フィクションぽさやファンタジーというのはジャニーズの大きな魅力だと思っています。ただ残念ながら、そのフィクションめいた部分と時代性は食い合わせが悪い。なのでタッキーが今後、どのようにそれを両立させていくのかが、ひとつのカギになるような気がします。

近田 なるほど、そうかもしれないね。