「この先、もしもカトちゃんが車椅子生活になってしまったら、もしも寝たきりになってしまったら……と考えたらじっとしていられなくて。」(撮影:本社写真部)
加藤茶さんとの結婚当初は、45歳差という「超年の差婚」で激しいバッシングを受けた加藤綾菜さん。波瀾含みで始まった結婚生活も、もうすぐ10年を迎える。高齢の夫のために最近、介護の資格をとったという綾菜さんに、夫婦の馴れ初めと歩み、現在の関係を聞いた(構成=丸山あかね 撮影=本社写真部)

夫の介護に備えて一念発起

今年の3月に「介護職員初任者研修」(旧ホームヘルパー2級)の資格を取得しました。もちろん45歳年上の主人のためです。おかげさまで77歳のカトちゃんは元気にしていますが、実は9年前に結婚してから2年おきに4回も倒れています。なかでも一番焦ったのは、5年前にパーキンソン症候群を発症したときでした。

手の震えが目立つようになり、高熱も続いたので病院へ連れて行ったら即入院で。手足だけではなく喉の筋肉まで衰えてしまったため、点滴生活を余儀なくされました。みるみるうちに体重が38キロまで落ち、声も弱々しくなってしまって……。でも私は励ますことしかできなかった。これじゃダメだと思ったことから、介護に関心を抱くようになったのです。

まずは食生活を改善する必要がありました。結婚前のカトちゃんは、毎日ウイスキーを1本空けてしまうとか、食事もラーメン、とんかつ、ステーキ、焼き肉のローテーション。野菜と魚は一切食べなかったりと、かなり乱れていた模様。そして結婚してからも、あろうことか私は、主人のリクエストに応えてせっせと高カロリーの食事を作っていたのです。

「今日の晩ごはん」をブログにアップしたところ、たくさんの方々から「これは高齢者の食べるものじゃない」とか、「茶さんを殺す気か!」といったおりの書き込みをいただいたことも。確かにその通りだと思いました。60代でスタンフォードA型大動脈解離(心臓に近い上行大動脈が解離する)を患った主人にとって、油分や塩分の摂り過ぎは命取りになりかねません。

ところが薄味にすると「美味しくない!」と言って食べてくれず、結局のところ元の木阿弥に。主人がパーキンソン症候群を発症したのを機に、低カロリーで美味しいご飯を作ろうと一念発起したのです。

さっそく栄養学を学び始め、1年がかりで食育インストラクターの資格を取得しました。その甲斐あって、カトちゃんは元気を取り戻し、テレビに舞台にと完全復帰を果たすことができて一安心。とはいえ、この先、もしもカトちゃんが車椅子生活になってしまったら、もしも寝たきりになってしまったら……と考えたらじっとしていられなくて。「介護職員初任者研修」を受講しようと決めたのは2019年の秋のことでした。