どうやって増やすのか?

これらの植物にタネができないことを知ると、「タネがないのに、どうして増えたのか」という疑問が浮かびます。おもに「挿し木」で、人工的に増やされているのです。これもジンチョウゲと同じであり、キンモクセイも自然の中で自分で増えることのない木なのです。

キンモクセイは、黄金色の目立つ花をいっぱい咲かせ、昆虫を誘います。しかし、せっかく虫を引き寄せても、子孫(タネ)をつくれません。その花の寂しさが香りに乗って、私たちに秋の物悲しさを誘うのかもしれません。

なぜ、近年はトイレ消臭剤に使われないのか?

この植物は、トイレのそばに植えられているといわれます。たとえば、公園の公衆トイレの横にキンモクセイがあります。「香りが強いからトイレの臭いを消すため」といわれます。でも、そんなことはないでしょう。キンモクセイの香りは、10日間ほど香るだけですから、トイレの横に植えておいてもトイレの臭いはごく短期間しか消すことはできません。

「トイレの消臭剤」には、この植物の香りが、長い間、使われてきました。この理由は、香りが強いから選ばれたのでしょう。でも、近年ほとんどが使われません。そのため、この香りは、トイレ消臭剤の《元祖》となってしまいました。「なぜ、元祖になってしまったのか」と不思議です。この香りは、汲み取り式トイレのイメージがあまりに強いので、「現在の水洗トイレにはふさわしくない」といわれています。