「私は湿っぽいのはイヤだから、ロックンロールを大音量で流してもらって、みんなで「イエーイ!」って盛り上がって見送ってほしい。あと、死に化粧は絶対に腕のいいメイクさんに頼んでね。(笑)」(和津さん)「ハリウッドから呼んじゃおうかな(笑)」(桃子さん)

年をとったからといって安易に世話になろうとせず

桃子 最後まで誰の世話にもならず自立した人生を全うすることができれば、それに越したことはないよね。今、私が暮らしている高知は、病気やケガをしても自活ができるまでに回復を助けてくれる高齢者用リハビリ施設が充実している。そういうところが、全国にもっとあったらいいのに。

和津 日本は長寿国と言われているけれど、寝たきりになる期間もいちばん長いんでしょう?

桃子 高知では、近所の人たちがお互いに助け合う長屋的なシステムが健在。だから身体が多少不自由でも、100歳で人生を終えるまで、自立して暮らしている人も少なくない。

和津 それって理想の姿よね。年をとったからといって、必ずしもすべてを誰かの世話にならなきゃいけないと考える必要はないもの。周囲の人の手を借りながらでも、最後まで自力で生活することが可能なら、子どもにも施設にも世話にならなくて済むわけだし。私も目下、1日1万歩のウォーキングを日課にして、最後まで自分の足で歩けるように足腰を鍛えているところ。

桃子 映画『0.5ミリ』を撮ったときに高齢の方々を取材して思ったんだけど、たとえば経理の仕事をしてきた人だったら、たとえ車椅子の生活になっても、その経験を誰かのために役立てることができるでしょ? 実際に、私は経理が大の苦手だから、力を貸してほしいと思っているし。

和津 「世話をされる側」じゃなくて、生涯「誰かの世話をする側」であることを目標に生きられればいいのよね。

桃子 私も仕事が忙しくなると、子どもをお母さんに預けてばかりで、まだまだ頼りたいんだけど(笑)。でも、孫の世話をすることで、お母さんが介護うつからスポンと抜けたのも事実よね。

和津 そうよ、あなた人使いが荒いもの(笑)。ついこの間も、桃子が風邪をひいてたから、「孫の世話をしなきゃ」と高知まで行こうと空港に向かう矢先、仕事(NHK連続テレビ小説『まんぷく』の撮影)で娘と二人で大阪に住んでいるサクラから「赤ちゃんが高熱出してる〜!」なんて電話がかかってきちゃって……。

桃子 シングルマザーの私は高知で助けてもらっている人も大勢いるけど、お母さんに娘を見てもらえるのはすごく幸せを感じる。それにお世話になっている私が言うのもなんだけど、孫の世話をしているときのお母さんはとっても幸せそうで、メキメキ元気になった。

和津 それは言えるかもしれない。12年前に母が亡くなった後も介護うつが抜けなくて、椅子からうまく立ち上がれないくらい体力が落ちてしまって。それが今では、孫を抱いたままスッと立ち上がれるようになったしね。

桃子 お母さんは70代になっても頼れる存在であるだけでなく、「自分の人生をどう生ききりたいか」ということがはっきりしているから、娘として安心して見ていられるのかも。

和津 自分の仕事の合間に、東京と高知や大阪を往復するのはさすがに疲れるわよ。でも、孫たちの顔を見るとたちまち元気になるから不思議ね。私も今年で古希を迎えたわけだけど、年をとったからといって安易に若い人の世話になろうとせず、人生の最後まで「誰かの力になれる」、「人の役に立てる」ように心がけることが、これからの高齢者が目指すべき生き方なのかもしれない。