《旭日鳳凰図》伊藤若冲筆 江戸時代、宝暦5年(1755)、 宮内庁三の丸尚蔵館、後期展示

宮廷文化を彩る各時代の名品がずらり

天皇陛下の即位とともに始まった「令和」の世。この新しい時代をことほぎ、宮内庁三の丸尚蔵館が所蔵する名品の数々を、日本の宮廷文化とともに紹介する。皇室の名宝は別格扱いであるため、国宝や重要文化財といった文化財指定を受けることはないそうだが、もちろんその多くは、各時代を代表する名品ぞろい。本展は、これらを(意外にも!?)京都の地でまとめて公開する初めての展覧会である。

《春日権現験記絵 巻 一(部分)》高階隆兼 筆 鎌倉時代、延慶2 年(1309)、宮内庁三 の丸尚蔵館、通期展示(巻一は後期展示)

書画から工芸品まで100点あまりの作品が展示されるなか、近世絵画はやはり百花繚乱。とくに地元・錦小路の青物問屋の主人から絵師となった伊藤若冲(じゃくちゅう)は、代表作《旭日鳳凰図(きょくじつほうおうず)》に加え、名高い《動植綵絵(どうしょくさいえ)》30幅のうち8幅が展示される。前者は彼が画家に専念することになった40歳の頃の記念碑的な作品だ。ほぼデビュー作であるにもかかわらず、若冲ならではの緻密で幻惑的な作風が完成されていることに驚かされる。

また絵巻では、元寇の様子を伝える《蒙古襲来絵詞(えことば)》や、春日大社の霊験を描いた《春日権現験記絵(かすがごんげんげんきえ)》など、「これは見逃せない!」という教科書でお馴染みの作品も。そのほか、書聖・王羲之(おうぎし)をはじめとした中国や日本の能書家たちの筆跡、江戸時代、京都御所で行われた興味深い即位の風景を描いた絵など、皇室ゆかりの地・京都でこそ味わいたい作品が目白押しだ。