イラスト:朝生ゆりこ

 

 

日本の草花を四季に応じて紹介する『日本の花を愛おしむ 令和の四季の楽しみ方』(著:田中修 絵:朝生ゆりこ 中央公論新社刊)から、身のまわりの植物クイズを出題。今回の問題は、「【鴨脚樹】はなんと読む?」です。
答えは…

 

 

イチョウ!

 

「生きている化石」とよばれる木

絶滅したと思われていた生き物が生きていることがわかると、「生きている化石」といわれます。イチョウはその代表的な一つです。

この植物は、「約二億年前に、中国で生まれ、一億年前に栄えていた」と考えられています。しかし、「その後に訪れる氷河期に、イチョウは絶滅した」と思われてきました。

ところが、江戸の元禄時代、長崎の出島(現在の長崎県)に来たドイツ人の医師ケンペルが、「日本に、イチョウの木がある」ことを発見しました。そのため、イチョウは、「氷河期を生き抜いた木」とされ、十九世紀、進化論で知られるチャールズ・ダーウインにより、「生きている化石」とよばれました。

氷河期を生きのびたイチョウは、平安時代に、中国から日本に渡来しました。「なぜ、日本名が『イチョウ』なのか」が気になります。江戸時代には、「イチョウ」という名前の語源は、一枚の葉っぱなので「一葉(イチヨウ)」といわれ、そのまま「イチョウ」となったといわれました。

しかし、現在は、「イチョウ」には、「鴨脚」、あるいは、「鴨脚樹」という漢字が書かれます。これは「イチョウ」とは読めませんが、「イチョウ」という名前はこれに由来しているのです。

「葉っぱの形がカモ(鴨)の脚に似ているので中国語で『鴨脚(ヤーチャオ)』といわれて、その音が、『イチョウ』と聞こえ、日本での名前は『イチョウ』となった」とされています。