イラスト:朝生ゆりこ

 

日本の草花を四季に応じて紹介する『日本の花を愛おしむ 令和の四季の楽しみ方』(著:田中修)から、身のまわりの植物のマメ知識を紹介。今回は、【日本三大紅葉の里】言えるかな?です。
答えは…

 

 

嵐山(京都)、日光(栃木)、耶馬溪(大分)!

 

秋の紅葉のしくみとは?

カエデの葉っぱの色づき方は、イチョウの黄葉とは異なります。黄葉は、場所によって、年によって、違わないのに対し、紅葉は、場所ごとに、あるいは、年ごとに、異なります。

そのため、「今年の色づきはきれい」とか「昨年は色づきがよくなかった」などといわれます。また、「あそこのカエデがきれい」とか、「あそこのカエデは、色づきがよくない」のように、場所による違いもいわれます。紅葉の名所といわれるところであっても、色づきは、年によって、場所によって、違いがあるのです。

この理由は、葉っぱが紅葉するためには、「アントシアニン」という赤い色素が新たにつくられなければならないからです。また、きれいに紅葉するためには、葉っぱの緑色の色素である「クロロフィル」が消えねばなりません。

そのために、大切な条件があります。アントシアニンが多くつくられるためには、昼が暖かく、紫外線を多く含む太陽の光が強く当たることです。そして、クロロフィルが消えるためには、夜に冷えることです。

年によって、昼の暖かさと夜の冷え込み具合は異なります。そのため、年ごとに、色づきが「よい」とか「よくない」ということがおこります。だから、紅葉の色づきは、年ごとによって違いが生じるのです。

また、場所によっても、昼と夜の寒暖の差は異なります。太陽の光の当たり方も違うため、紫外線の当たり具合も、場所によって変わります。そのため、紅葉の色づきは、場所ごとにも異なってくるのです。

そのあと、色づいた紅葉がきれいな状態で長く維持されるためには、高い湿度が保たれることが望まれます。湿度が低いと、葉っぱがカラカラに乾燥し老化してしまうからです。紅葉というきれいな言葉で語られますが、紅葉とは、葉っぱが老化していく一つの過程なのです。