イラスト:飯田淳

 

平成元年に大手生命保険会社に入社した
〈一般職〉のナオさん。たび重なる異動や、
上司に振り回されながらも、会社に尽くしてきた。
そんな彼女の口から語られた本音は......

第4回 ヘイセイガンネンズの原点回帰

「会社なんて、もうやめたい! そうなんども思いながら……でも、やめていない──やめなかった……」

前々回より、大手生命保険会社にお勤めのナオさん(51)に話を聞いている。

30年前に〈一般職〉で入社して、いまもお仕事を続けているヘイセイガンネンズのナオさんであるが、当初はほかに行きたい会社があった。

「航空会社に……スチュワーデス、いまでいうCAですね、なりたかったんですよ」

就職活動期、もっとも早く内定の出たいまの会社に、彼女が5日間の拘束を受けたことは、すでに書いた。

ナオさんは背が高い。CAのナオさんを、私はその場でイメージしてみた。まったく違和感がなかったので、そういう選択もあったのかもしれない。しかし平成バブルの荒波は、ナオさんをここへ運んだ。

背は高いが、視力が悪かった。だからもしもあのとき内定者合宿を抜け出して試験にパスし、採用の門が開かれたとしても、CAになることは叶わなかっただろうとナオさんは話す。そして30年にわたり同じ会社で事務職を務めてきた彼女は、いろんな部署をめぐりめぐって、現在は〈カスタマーサポートセンター〉というところにいる。

「お客さんのところへ行っている営業職員と、私のいる〈カスタマーサポートセンター〉とは、テレビ電話でつながるようになっています。お客さんのところで営業職員がパソコン操作につっかかっちゃったら遠隔操作で直してあげたり、いろんなチェックをします。たとえば高齢のお客さんが、本人の知らないうちにお金だけ払っていたりすると困るので、契約者がちゃんと自分の意思で入っているんだよね? というのを確認する。ちょっとあやしいなと思ったら、支社からさらに人を行かせたりもします」