草花ではなく、大きく育つ樹木

この植物の「ポインセチア」という名前は、メキシコに育っていたこの植物をアメリカに持ち込んだ、アメリカ合衆国の初代メキシコ公使であったジョエル・ロバーツ・ポインセットの名にちなんでいます。

この植物は、私たちの身近では鉢植えで栽培されます。しかし、暖かいところでは地面や花壇に植えられ、大きく育てば、背丈は数メートルにも達し、幹まわりも数十センチメートルにもなります。

草花のように扱われていますが、この植物は常緑の樹木なのです。沖縄県で、数メートルほどの背丈に大きく育っていることがあります。宮崎県の日南海岸には、約5万本が露地植えされており、毎年、12月から1月、花が咲き誇っています。

クリスマスに、花が咲くための栽培方法は?

この植物は、「クリスマス・フラワー」とよばれ、クリスマスのころには、鉢植えで出まわります。寒い季節に、きれいな緑の葉っぱと、目立つ赤い花を咲かせています。

そのため、「本物の生きている植物ではなく、造花なのではないか」という、ちょっとよこしまな気持ちが浮かんできます。実際に花や葉っぱに触れてみて、その感触を確かめたくなる植物です。でも、手触りで分かるように、造花ではありません。

本物の花とわかると、「なぜ、寒い季節に、このようなきれいな花を咲かせているのか」との思いが浮かびます。この疑問は、少しは的を射ています。なぜなら、この植物は、本来、寒さに強い植物ではなく、「クリスマスのころに咲き誇る花」ではないのです。

ですから、「クリスマス・フラワー」といわれるためには、暖かい場所か温室で栽培されなければなりません。しかも、温室で栽培するだけでは、だめなのです。

この植物を赤く色づかせるためには、長い時間の夜が何日も与えられなければなりません。8月下旬か9月上旬から、夕方5時ごろから朝8時ごろまで、温室の中を夜のように暗くして、そのあと、朝から明るい光を当てるという処理を、50~60日間、繰り返します。

すると、11月から12月ごろに花が咲き、赤く色づきます。このように、長い夜を与える処理は、昼を短くするという意味で、「短日(たんじつ)処理」といわれます。