就職情報会社が来春卒業の大学生らを対象に調べた企業ランキングによれば、近年、女子大学生(文系)に人気の高い希望就職先は、「総合商社」であるらしい。

総合商社といってもいろいろあって、彼女らが目指すのは〈大手〉総合商社。

出版志望の学生たちも、訊くと〈大手〉志向だ。この〈大手〉ばかりを若者が好む傾向は日本にとってよろしくないと私はつねづね考えているのだが、その話は後回しにしよう。

そもそも商社が何をやっているかというと、基本は〈売り手と買い手の仲介〉である。

たとえばある製品を作るのに、海外からの原材料が必要だとして、原材料を調達(輸入)し、輸入先(売り手)とメーカー(買い手)を結んで、その仲介料として手数料を得る。

「専門商社」が特定分野(鉄鋼や繊維など)を手がける一方、「総合商社」は複数分野を扱う。

なかでも、大手総合商社とよばれる会社は、日本で5~7社。〈大手〉ともなると、輸出と輸入の仲介において巨額を動かす。

しかし、日本以外の国にこうした総合商社って、ないらしいのですよ。つまり日本独自の、企業形態。

どうしてそんなものができたのだろう?

〈なぜ総合商社は日本にしかないのか?〉

この問いを、私はいろんな人に投げかけてみた。

どうやら、ひじょうに答えにくい質問であるらしい。もしかしてこの問いの先に、バブルのなぞが……?

1945年の終戦後、日本は連合国軍に占領統治されていた。

連合国軍の代表・GHQは、敗戦国・日本の進む道について、あらゆる策を練った。

まず第一に、徹底的な非軍事化。そのうえで日本政府は経済強化。そして〈貿易立国〉を目指すことが日本の早期復興につながると考えた彼らは、鉄鋼、石炭、繊維、を重点産業とし、それらで商売する会社を優遇し、貿易の振興を促した。

つまり海外での日本人の商売を支援した。

支店の設置や、そこで商いをするときの金融、保険、税制をよきにはからう。

これを後押ししたのが、〈戦争バブル〉である。