「いい男」を漁るほどのエネルギーは絶えて久しい。そもそも狩猟系の女子ではなかったので、若い頃からアンテナ自体の性能が低かった。私が言うところの「狩猟系女子」とは、ビビッと来た異性に対し、自ら積極的にアタックするタイプの女性のことであり、私はむしろ農耕系だったと自負している。だからアヤヤのことをとやかくは言えない。恋をしたい気持は山々なれど、できればアチラから攻めていただいて、その後、「どーしよーかなあ」と考え、考えすぎて機を逃す。実際、そういう女の子が同世代には多かったと思われる。

しかしときどきいたのであるよ、私の若き時代にも狩猟系女子というものが。

「ぜったい見逃したらダメよ。私なんて運転しながら、すれ違う車の男を吟味してるもん。イエス、ノー、ノー、ノー、イエスって」

さる友人からそう助言され、そうか、それぐらい積極的にならなければいい男は見つからないのかと考え込んだ時代もある。とはいえ実行できたためしはない。そんなことをしたら交通事故を起こしかねないし、まして運転する姿だけで男の善し悪しを見抜く力はない。ところがその果敢女子はさらにこうのたまった。

「本気でステキ!って思ったら、Uターンしてその車を追いかけるわ!」

その後、どういう恋の顛末の数々を展開なさったか知らないが、時を経て、今やその女性もご伴侶と平穏な生活を続けている……はずだ。

先日、仕事仲間の編集者君と六本木を歩いていたら、

「あ、今、〇〇君がいましたね」

誰じゃそれはと問うと、今、〇〇界で絶大な人気を誇る方だという。

どうも今回は〇〇が多くてすみませんね。この場合は書けないのではなく、覚えていないのである。「どれどれ」とその〇〇界のアイドルらしき若者の姿を認めたところで、そもそも知らないから何の感慨も湧かない。そこで私は気がついた。そうか、私は世の中全般への関心が薄れているのではあるまいか。