自分のベッドに寝転んだ瞬間、無理!

退院した私を苦しめたことは他にも多かった。まずはベッドだ。入院していた病院ではマットレスの傾斜を変えることができるベッドを使用していたため、筋肉がごっそりと失われた体に痛みを感じることはなかった。しかし、自宅に戻り、慣れ親しんだ自分のベッドに寝転んだ瞬間、無理!!!! となった。とにかく、腰が痛い、背中が痛い、足が痛い。体を横にして寝ると、下にした方の腕が、足が、痛んで仕方がない。

たった2週間の入院でここまで体は変わってしまう。これには本当に驚かされたし、悲しくもなったのだが、悲しんでばかりもいられない。早速インターネットでベッドを注文しようとパソコンの前に座ったら、今度はおしりに激痛が。オフィスチェアさえ、退院後の私の体には負担だったのだ。

次に驚いたのは、それまで着ていた衣類だ。まず、サイズが合わない。そして重い。コートが重い。セーターが重い。靴も重い。すべてのものが、私には重くなってしまっていた。だから、身の回りのものをひとつひとつ、軽量のものに買い換え、重いものは廃棄していくことになった。ちなみに本も重かったので、この時期から電子書籍やオーディオブックを集め、転院と手術に備えるようになった。ガジェット類もすべて軽量のものに買い換えた。

このようにして、自分の体の変化に対応させて生活様式を変えつつ、大量の薬の管理をしながら、息を潜めるようにして2週間を過ごした。どうにか生きて、不安定な日々を乗り越え、そしてとうとう、転院先の大学病院に向かう日がやってきた。初診に合わせて主治医が大学病院へすべての資料を送ってくれていた。私は何も持たずに行けばいいと言われていた。行って、先生とお会いして、手術のことについて話を聞いてください、きっと大丈夫ですよと言われた私は、不安ながらも、次の一歩を踏み出すことにした……ひとりで。