初診までの道のりが遠い…(撮影:村井さん)

ヨロヨロと建物内部に入ったが、初診の際に行くよう伝えられていた患者支援センターまでの道のりが遠い(実際には入り口正面ぐらいの位置にある)。遙か彼方にあるように見えるその場所まで、ゆっくりと歩いた。歩きながら、この空間で私だけ歩みが極端に遅いのではと気になった。周囲は私の倍のスピードで動いている。私の周りだけ時空が異なっているようだった。

ヨロヨロと手続きを済ませ、ようやく心臓血管外科の受付に向かうことになったのだが、果たしてこの状態で階段は登ることが出来るだろうかというちょっとした好奇心で、よせばいいのに階段を登り、途中で動けなくなった。横を高齢のおばあちゃんがスイスイ移動していく。これはもう、本当にダメなのだなと、そのときはっきりと理解した。理解していたつもりだったけれど、その時点でも私の認識は甘かったと思う。そして突然怖くなった。

壁に寄りかかるようにしてゆっくりと心臓血管外科外来に行くと、多くの患者が椅子に座って静かに待っていた。多くは高齢者だったが、中には私ぐらいの年齢の人たちもいた。ヘルプマークをバッグにつけた人も数人いた。ここにいる誰もが心臓に何らかの疾患を抱えているのだと思うと、不思議とうれしく、突然仲間が増えたような気持ちになった。