日本の草花を四季に応じて紹介する『日本の花を愛おしむ 令和の四季の楽しみ方』(著:田中修 絵:朝生ゆりこ 中央公論新社刊)から、いまの季節を彩る身近な植物を取り上げ、楽しく解説します。今回のテーマは「『藤(フジ)』新5,000円札の図柄に決まった理由」です。

お札が紫色(藤色)を基調とするため

 

 

紫といえば藤

この植物は、花かるた(花札)では、4月にホトトギスとともに描かれています。英語名は、「ウィステリア」です。学名は、「ウィステリア フロリブンダ」であり、「ウィステリア」はアメリカの植物学者カール・ウイスターの名前にちなみます。「フロリブンダ」は、たくさんの花をつけることを意味します。

春に、フジは、50センチメートル以上にも垂れ下がった房に多くの花を咲かせます。その姿が「下がり藤」として、浄土真宗本願寺派の宗紋となっており、本山である西本願寺(京都市下京区)の寺紋にもなっています。花の色は、淡い上品な薄い紫色で、この植物の名前がその色の名前に用いられ、「藤色」です。