「ハードルが大きければ大きいほど、大恋愛になる法則」のなかでも、究極のハードルの大きさかもしれない。なんせ世界と天秤にかけられる恋愛なのだ。『塩の街』がいかにロマンチックに振り切った小説か、お分かりいただけただろうか。

『天気の子』も同じパターン

恋のハードルが、世界。――この構造はしばしば他の作品で見られる。たとえば新海誠監督による『天気の子』という映画もこのパターンだった。

物語は、「雨がやまなくなった」世界から始まる。陽菜という女の子は、雨を止める力を持っている。しかしその力を使うことによって、彼女の体は徐々に消耗していき、主人公の帆高は、「世界を救うか、陽菜の体を救うか」を迫られる。

実は二つの作品―『塩の街』と『天気の子』は、「世界を救うかどうか」という意味では、反対の結末を迎える。しかしどっちにしろ、「世界と天秤にかけられる恋愛」という構造は同じだ。恋愛の結末がどうなったかは、ぜひ本編で確かめてほしい。

恋愛のハードルが大きいものであるほど、恋愛はロマンチックになる。

この比例の法則、いろんなところで使われている手法なので、注目してみると面白いかもしれない。