この日以降、私はまったく遠慮なしに、痛ければ痛いと言い、そう訴えればすぐに処置をしてもらえる幸せを噛みしめた。実際、術後1週間が経過すると、座っているだけであれば痛みはほとんど感じないほどに回復していた。

もちろん、時折痛み止めは必要だったけれど、私が手術前に想像していた壮絶な術後イメージからは、あくまで私のケースだけれど、ほど遠い状況だった。心臓手術後がここまで楽でいいのだろうかとさえ思った。そして、胸骨の痛みに関しては、術後数か月で感じることがなくなり、今はまったくない。

 

手術したばかりのヨレヨレの人たちが集まって

私よりも年上の患者さんが多い病棟内で、顔見知りになったおじいさんとよく話をするようになったのは、思いがけず痛みが少ない術後の入院生活に、少し退屈してきた頃だった。

手術翌日から心臓リハビリははじまっていた。胸に巨大なガーゼを貼られた、手術したばかりのヨレヨレの人たちが集まって、バイクを漕いだり、体操をしたりするのが心臓リハビリで、1日1時間程度、休み休み、様子を見ながら行われる。どれだけスパルタなのかと思うのだが、実際には、この心臓リハビリは術後の回復のために非常に大切なプロセスらしい。

私も、1日も休むことなく通い続けた。ヒマだったということもあるが、リハビリ室で出会う同じ病気で手術したばかりの人たちに、特に私よりも年上の人たちに会うのが楽しかったからだ。だってみんな、とても優しい人たちだったから。