日本の草花を四季に応じて紹介する『日本の花を愛おしむ 令和の四季の楽しみ方』(著:田中修 絵:朝生ゆりこ 中央公論新社刊)から、いまの季節を彩る身近な植物を取り上げ、楽しく解説します。今回のテーマは「【芍薬】」です。

 

女性の美しい立ち姿を形容する花

この植物は、平安時代までに、中国から日本に来た薬草です。甘い香りを放つ直径十数センチメートルくらいの大きな花であり、切り花としても利用されます。

古来、女性の美しさは「立てばシャクヤク、座ればボタン、歩く姿はユリの花」と形容されてきました。だから、シャクヤクの立ち姿が美しいことになります。また、ボタンの花は横向きに咲くので座って見るのによいが、シャクヤクは立って上から見るのによいともいわれます。

 

立って眺めるのが正解?

 

シャクヤクは、花の美しさ、花の色のあざやかさ、立ち姿など地上部がすばらしいことはよく知られます。でも、この植物の地下部は漢方薬として役に立ちます。特に、こむら返りには、根を乾燥させた生薬(しょうやく)がよく使われます。