日本の草花を四季に応じて紹介する『日本の花を愛おしむ 令和の四季の楽しみ方』(著:田中修 絵:朝生ゆりこ 中央公論新社刊)から、いまの季節を彩る身近な植物を取り上げ、楽しく解説します。今回のテーマは「【花筏】(ハナイカダ)」です。

 

雌花と雄花が別々の木に咲く

この植物の学名は、「ヘルウィンジアヤポニカ」で、「ヘルウィンジア」はハナイカダ属を示し、「ヤポニカ」は日本生まれを示します。

これは、雌花と雄花が別々の木に咲く「雌雄異株(しゆういしゅ)」です。初夏に葉っぱの中央に、小さな白色の3~4枚の花びらからなる花が咲き、雌株では、秋にはその花が咲いていた位置に、黒い実がつくられます。お寺の境内などで、見かけることが多い樹木です。

葉の上にポツンと咲く花筏の花

花や実が葉っぱの真ん中にポツンと乗った姿は、印象的で、めずらしいものです。その花や実の姿が、筏(いかだ)を操(あやつ)る人に見立てられ、この植物には、「花筏」という名がつけられています。