日本の草花を四季に応じて紹介する『日本の花を愛おしむ 令和の四季の楽しみ方』(著:田中修 絵:朝生ゆりこ 中央公論新社刊)から、いまの季節を彩る身近な植物を取り上げ、楽しく解説します。今回のテーマは「【百日紅・猿滑】」です。

近年の調査で平安時代に伝わっていたと判明した植物

この植物は、江戸時代の初期に、中国から日本に伝わったとされる説が有力でした。ところが、近年、その約700年前の平安時代に伝わっていたと考えられています。

京都府宇治市に、10円硬貨の表面にデザイン化されている平等院鳳凰堂があります。その前に広がる池の平安時代の地層から、サルスベリの花粉が発見されたと、2010年に発表されたのです。

その名の通り紅色が美しいサルスベリの花

平等院は、藤原頼道(ふじわらのよりみち)により1052年に創建されたとされますが、それ以前にも貴族の別荘があったとの説があり、その当時、サルスベリはすでに植えられていたことになります。もしそうなら、平安時代の貴族であった藤原道長(みちなが)、頼道は親子で、この植物を愛(め)でていた可能性があります。