テレビ以外の仕事で出かけるときは当然のことながら、自分でメイクをする。洗面所で鏡に向かうたび、私は鏡の中の自分に文句を垂れる。

ウー、どうして女はメイクをしなきゃいけないんだろうね。これさえなけりゃ、楽なのに。鬱々たる気持で化粧水を塗り、下地クリームをつけ、そして嫌いなファンデーションを塗る作業に取りかかる。

ことにこの暑い季節は苦痛が倍加する。ファンデーションを塗る横から汗が噴き出すからだ。更年期障害のピークも過ぎたはずなのに、ファンデーションで蓋をするや、たちまち、「暑いよぉ」と肌が暴れ出すかのようである。そのうちファンデーションを塗っているのか汗を拭いているのか区別のつかぬまま、上からおしろいで無理やり押さえ込む。

この段階ですでに私は疲れ切っている。しかしこのあと、眉毛を描き、アイシャドウを塗り、アイラインを引いて頬紅をつけなければならないのだ。ああ、うんざり。

テレビ出演の際、つけまつげをつけるようになったのは、つい二、三年前のことである。瞼の上の肉が年々垂れてきて、かつて「ぱっちり目のサワコちゃん」と呼ばれていたはずが、いつのまにかゾウの目と見まがう垂れ目小さ目切ない目。その衰えぶりがあまりにも顕著になったので、「どうすればいい?」とメイクさんに相談したところ、

「つけまつげ、つけてみます?」

こうして私はつけまつげの魔法にハマったことは以前にも書いた。が、ハマってはみたものの、それを自力で応用しようというところまでは至らない。接着剤を塗ったつけまつげを自分のまつげの上に貼りつけるという作業が困難を極め、とうてい私の手に負えない。だから結局、買ったつけまつげは棚で眠ったままの状態だ。