日本の草花を四季に応じて紹介する『日本の花を愛おしむ 令和の四季の楽しみ方』(著:田中修 絵:朝生ゆりこ 中央公論新社刊)から、いまの季節を彩る身近な植物を取り上げ、楽しく解説します。今回のテーマは「【桔梗】秋の七草の一つで、明智光秀の家紋で有名」です。

 

「秋の七草」の一つで、色の名前にも

キキョウは、夏から秋に青紫色の花を咲かせます。クズ、ハギ、ススキ、ナデシコ、オミナエシ、フジバカマとともに、この植物は「秋の七草」の一つとなっています。

花の色は、あまりにあざやかなので印象深く、「桔梗色」という名がついています。花の色がそのまま色を表す言葉に使われるのはそんなに多くなく、「桜色」「桃色」「山吹色」などであり、その中の一つとなっています。

花は、茎の先端に咲き、咲くまでは釣り鐘、あるいは、風船に見立てられるような姿をしています。この植物の英語名の「ベル(釣り鐘)・フラワー」、あるいは、、「バルーン(風船)・フラワー」は、この姿にちなんでいます。

京都市東山区に、真言宗智山派の総本山である智積院(ちしゃくいん)があります。このお寺は「松に立葵図」「桜図」「楓図」などの植物の障壁画で有名ですが、このお寺の寺紋は、キキョウです。夏には、参道沿いに約70メートル、3千株が、紫や白の花を咲き誇ります。