日本の草花を四季に応じて紹介する『日本の花を愛おしむ 令和の四季の楽しみ方』(著:田中修 絵:朝生ゆりこ 中央公論新社刊)から、いまの季節を彩る身近な植物を取り上げ、楽しく解説します。今回のテーマは「【茄子】千に一つの仇がない」です。

 

短花柱花が咲くと栄養不良で実をつけない

ナスは、タバコ、ジャガイモ、トマト、ピーマンなどの仲間の植物です。この植物では、古くから「親の意見とナスビの花には、千に一つの仇(あだ)がない」といわれます。

そのため、ナスでは、花が咲けば、確実に、実がなると思われがちです。ところが、実際に栽培していると、ナスにも「花が咲いても、実がならない」という悩みが生じます。

「短花柱花(たんかちゅうか)」とよばれる花が咲いた場合です。花柱はメシベの長さを決める部分で、これが短い花は「短花柱花」といわれます。メシベの先がよく伸びず、受粉ができにくいために、実がならないことが多いのです。

栄養不良になると「短花柱花」を咲かす

肥料が足らないことや、光や水の不足のために、光合成が十分にできないなどの理由によって、栄養不良になると、この花が咲きます。栄養が足らないので、実をつけないようにしているかのようです。

ナス(茄子)

[科名]ナス科
[原産地]インドなどの熱帯アジア
[花言葉]よい語らい、優美、希望