自ら資金を集め、日本人最年少の19歳でエベレスト登頂に成功した南谷真鈴さん。
挑戦を続けること、あきらめないことの大切さを語ってくれました

13歳のとき香港で山と出会って

竹内南谷さんは、日本人最年少でのエベレスト登頂をはじめ、七大陸最高峰に北極点と南極点を加えた「探検家グランドスラム」を世界最年少の20歳で達成されるなど、これまでに多くの記録を残してこられました。その第一歩が、13歳で香港の山に登ったことだったのですね。

南谷当時、私は父の仕事の関係で香港に移住したばかりで、現地のブリティッシュ・スクールに通っていました。そこは、デジタル化教育を推進する学校で、すべての授業でパソコンを使い、違う階にいる友だちとはビデオチャットで会話するという徹底ぶりです。

竹内同じ建物内にいるのに、実際に顔を合わせないのですね。

南谷はい。そんな環境にはじめは戸惑ったものの、すぐに慣れて、私は親友と楽しい学校生活を送っていました。でも、家庭では両親が不仲で……。最悪だった家族関係が、楽しいはずの学校生活に影を落とすこともありました。そんなとき学校の行事で、はじめて山に登ったのです。自分の足で必死に登り、やっとのことで頂上に立ったとき、眼下には香港のビル群が小さく見え、自分の悩みがいかにちっぽけだったか気づきました。あのときの爽快感は今でも忘れられませんし、私が学び、成長できる機会は山にあると考えるようになったのです。

竹内そこから大記録への道のりがはじまったのですね。エベレストへの挑戦を決めたのはいつですか?

南谷はじめて香港の山に登った年の秋に、ネパールのアンナプルナという山の中腹までトレッキングする機会がありました。そのときはじめて、ひときわ大きくそびえ立つエベレストを見たのです。香港の小さな山に登っただけで、あんなに多くの感動と学びが得られるのだから、世界最高峰に登頂したら、どんな世界を発見できるんだろう。そう思い、いつか必ずこの山を制覇しよう、と心に誓いました。エベレスト登頂を決行しようと現実的に動き出したのは、それから4年後の17歳のときです。