ワクチン接種会場で見かけたハイな人たち

このような状況に痺れを切らしたアンドリュー・ロイド・ウェバーというミュージカル界の大御所作曲家などは、政府がロックダウン解除を延長しようとどうしようと6月21日から自分の会社が所有する劇場はすべてオープンする、逮捕されてもかまわない、などという過激な発言をして話題になった。もう我慢の限界なのだろう。あちこちでいろんな人が怒っている。

しかし、怒っている人々がいる半面、なぜか妙にハイになっているというか、「わからないんだからもう楽しむしかないじゃん」みたいな人たちもいて、それを目撃してしまったのは、意外な場所だった。

ワクチン接種会場である。

先日、2回目のワクチン接種をしたときの会場の様子が、厳粛な空気に包まれていた1回目とまったく違ったのだ。ボランティアや看護師たちが異様なほど陽気なのである。「あっちに並んでください」「あなたはこっちに」とか言って会場整理しているボランティアたちは、いい感じに顔が赤くなって鼻の皮とか剥けてる人もいて、きっと休憩時間に会場の真ん前にあるビーチで日光浴してきたのだろう、心身共にリラックスしている感じだ。

マスクをしているとはいえ、「ワン・ラーヴ、ワン・ハート、レッツ・ゲット・トゥゲザー・アンド・フィール・オーライ~」とボブ・マーリーを歌いながら体を左右に揺らしているボランティアがいるかと思えば、コンピューターでこちらの情報を確認しているNHS(国民保健制度)の制服姿の職員なんかは、「ネットがねー、遅いんですよ、今日は。アブラカダーブラー、スピード・アップしろー、もっと早く画面が切り替わるようになれー」とか言ってノートパソコンにおまじないをかけている。