日本の草花を四季に応じて紹介する『日本の花を愛おしむ 令和の四季の楽しみ方』(著:田中修 絵:朝生ゆりこ 中央公論新社刊)から、いまの季節を彩る身近な植物を取り上げ、楽しく解説します。今回のテーマは「【茶】三里戻っても飲む朝茶」です。

三里戻っても飲む朝茶

この植物の学名は、「カメリア シネンシス」であり、種小名の「シネンシス」は「中国生まれ」を意味し、「中国生まれのツバキ属の植物」ということです。日本には、平安時代に、遣唐使によりもたらされました。この植物が花を咲かせるのは、あまり知られていませんが、この花は、ツバキ、サザンカとそっくりです。

この植物は、茶の原料であり、古くから、私たち日本人の健康を支えてきました。古くから、朝のお茶を口にせずに旅に出発したら、「三里、戻っても飲め」や「三里行っていても、帰って飲め」とかいわれました。「朝に、これを飲み忘れて旅に出てしまったら、三里くらいなら戻ってきて飲みなさい」という意味です。お茶には、殺菌作用があるので、旅先での水あたりや食あたりを防ぐ効果が知られていたのでしょう。

お茶は私たち日本人の健康を支えてきました