『上流階級 富久丸百貨店外商部 III』高殿円・著、小学館

買い物描写は「グルメ漫画」に似ている

そして『上流階級 富久丸百貨店外商部 III』に登場するお客さんのひとりが、大人気イラストレーターのNIMAさん。

NIMAさんはある日いきなり静緒のもとへ現れ、「とにかく強いやつが欲しい」という言葉で、買い物をばんばんしていくお客さんなのだ。

この、買いっぷりを、読んでほしい! なんだか読んでいると、こちらまで嬉しくなってきませんか!

なんせ、商品名がぽんぽんと出てくるところがいい。無駄な会話がないからこそ、商品がたくさん出てきて、そしてたくさん買う様子が伝わってくる。

とにかくこのデパートで買ったものが羅列される感じ、読んでて、嬉しい。

……しかしこれ、どこかで見たジャンルと同じ構造ではないだろうか?

買い物描写は何に似ているか。それは、世の中に存在する、グルメ漫画というジャンルだと私は思う。

グルメ漫画。それは主人公がおいしそうにごはんを食べて、それを読者が読んで楽しむという物語だ。あれって、なんで結構人気がある、というか私も面白いなあと感じるかといえば。あらすじ以上に「人がおいしそうにごはんを食べるところを見ることが、面白い」という需要があるからだろう。

人がおいしそうにごはんを食べているところを見ると、なんだかこちらまで、ごはんが素晴らしいものに思えてくる。毎日食べているごはんが、輝くものに見えてくる。そしてなにより、自分もお腹が空いてくる。