買い物描写がもっともっと増えてほしい

もちろんみんながみんな「強いもの」を買いたいわけじゃない。必要に迫られて、とか、なんか買いたかったから、とか、買い物の数だけ理由はあるだろう。

しかし一方で買い物には、意外と、その人の精神状態が反映される、と私は思う。

『上流階級 富久丸百貨店外商部』シリーズを読むと、ああ買い物ひとつとってもこんなにもキャラクターの人生観を反映させることができるんだなあ、と驚いてしまう。

買い物描写、私は好きなので、もっともっと増えてほしい。そして漫画などだと変えなきゃいけなくなるような、ブランド名や店の名前も、小説ならそのまま出せることが多いから、がんがん出してほしい。

そしてなかなか買い物を100パーセント自由に楽しめない私たちの心を満たしてほしい。
『上流階級 富久丸百貨店外商部』を読むにつけ、そんな己の欲望に、どうしても気づいてしまうのである。

グルメ漫画が流行ってる昨今、買い物小説も、もっと、流行ってくれませんかね!?

 

※次回の更新は、1月20日(木)の予定です

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