特別展
国宝 東寺
− 空海と仏像曼荼羅

〜6月2日
東京国立博物館 平成館 
☎03・5777・8600(ハローダイヤル)

東寺講堂から史上最多15体の仏像が集結!

約1200年の歴史を誇る京都、東寺(とうじ・正式名称:教王護国寺)。本展では、この寺に伝わる弘法大師空海ゆかりの名宝や、貴重な文化財を紹介する。

804(延暦23)年、31歳で唐に渡った空海は、たった2年で密教の奥義を修得。帰国後の823(弘仁14)年、嵯峨天皇より東寺を下賜された後、ここを拠点に密教の教えを広めていく。その布教に極めて重要な役割を果たしたのが、優れた密教美術であった。密教の思想は奥が深すぎて文章で表すのが難しい。そのため、図画で説明することが奨励され、造形表現が重視されていたからだ。とくに、空海自身が中国から請来(しょうらい)した品々や、自らプロデュースして造らせた仏像は、彼の審美眼や高い理想もあいまって、その素晴らしさは群を抜く。

最高傑作は、密教の世界観を表す曼荼羅(まんだら)を21体の仏像で具現化した、「立体曼荼羅」。通常は、東寺講堂に安置されているこの仏像群のうち、本展では眉目秀麗な姿で人気の高い《帝釈天騎象(たいしゃくてんきぞう)像》など、国宝11体を含む15体で展開する。空海が夢見た厳かな密教空間に、思わず圧倒されるに違いない。

仏像曼荼羅イメージ 東寺蔵

また、歴史の重みをしっかりと感じさせてくれるのが、空海が天台宗の開祖・最澄に宛てた書状《風信帖(ふうしんじょう)》。能書家でもある空海の、壮年期の筆跡を知ることができると同時に、平安仏教の二大スターの交流を示す、貴重な史料だ。

【国宝】《風信帖(第一通)》空海筆 平安時代・ 9世紀 東寺蔵 ※展示期間3月26日〜5月19日

そのほか彩色両界曼荼羅図としては、現存する国内最古の国宝《西院曼荼羅》(展示期間4月23日〜5月6日)の公開や、真言宗の秘密の儀式「後七日御修法(ごしちにちみしほ)」の堂内の再現も。深遠なる真言密教の宇宙を、少しだけ覗いた気分になれそうだ。

 

森美術館15周年記念展
六本木クロッシング2019展:
つないでみる

〜5月26日
森美術館
☎03・5777・8600(ハローダイヤル)

若き日本のアーティストを紹介

六本木クロッシングは、森美術館が3年に1度開催している美術展。6回目となる本展では、1970〜80年代生まれを中心とした日本のアーティスト25組の、「つながり」をテーマとした作品を紹介中だ。一口に「つながり」といっても多種多様。AIロボットと人間との愛の物語を描くことで、生命や人間性について提示する作品、人の体温で形が変化する新しい服のあり方を考えさせるインスタレーションなど、最新のテクノロジーをテーマとしたものも数多い。

そんななかアナログ感を出しているのが、1300匹以上の猫が競技場で行進している、竹川宣彰の《猫オリンピック:開会式》だ。

竹川宣彰《猫オリンピック:開会式》(部分) 2019年 Courtesy:OtaFineArts,Tokyo 展示風景:「六本木クロッシング2019展:つないでみる」森美術館(東京) 撮影:木奥惠三 画像提供:森美術館

2020年の祭典に沸く日本人の姿を、動物のミニチュアで表現した。整然と行進しているように見える猫たちは、真剣なものもいれば、よそ見をしているものもあり、見物客も自由気ままだ。一大イベントは、社会と個人とのつながりを思いがけなくあらわにする。

 

KYOTOGRAPHIE
京都国際写真祭2019

4月13日〜5月12日
京都市内各所
☎075・708・7108

ヴェロニカ・ゲンシツカ《Untitled#5》 from the Traces series, 2015-2017. Courtesy of the artistand Jednostka gallery

京都市内11ヵ所で展示
古都で開催される芸術祭

「京都国際写真祭」は、2003年より開催されている写真のフェスティバル。7回目となる今年のテーマは「VIBE」。ポーランドの若手女性作家ヴェロニカ・ゲンシツカをはじめ、国内外の重要な写真家の作品、貴重な写真コレクションが、趣ある歴史的建造物や、モダンな近現代建築など11ヵ所で展示される。ふだんは非公開のスポットに行けるのも、芸術祭の醍醐味。さまざまな写真表現を訪ねて京都を散策する本展は、ありきたりな京都観光に飽きてしまった人にもおススメだ。