日本の草花を四季に応じて紹介する『日本の花を愛おしむ 令和の四季の楽しみ方』(著:田中修 絵:朝生ゆりこ 中央公論新社刊)から、いまの季節を彩る身近な植物を取り上げ、楽しく解説します。今回のテーマは「【松】」です。

「厳寒の三友」とよばれる

昔の人々は、冬の寒さに出会っても枯れずに緑のままで輝き続けるこの樹木を、「永遠の命」の象徴としてあがめてきました。

マツとともに、冬の厳しい寒さの中で、風雪に耐えてがんばる三種類の植物が、「厳寒の三友」とよばれます。あるいは「歳寒の三友」といわれます。

三友のあとの二つは、屈することなくまっすぐにすくすく伸びるタケと、百花に先駆けて花を咲かせ、香りを漂わせ、春の訪れを告げるウメです。

これらの三つは、あわせて「松竹梅」とよばれます。それぞれが個性を活かして、厳しい寒さと戦いながら生き抜いている姿が、人々の心に残っているのです。

3つの植物は、仲良くいっしょに生き抜いているのでしょうが、なぜか、料理のコースメニューなどでは、松、竹、梅の順にランクがついて使われています。