日本の草花を四季に応じて紹介する『日本の花を愛おしむ 令和の四季の楽しみ方』(著:田中修 絵:朝生ゆりこ 中央公論新社刊)から、いまの季節を彩る身近な植物を取り上げ、楽しく解説します。今回のテーマは「【桃】」です。

 

弥生時代の遺跡から大量のタネが

この植物は、中国から渡来し、古くから日本で栽培されていたようです。

約2000年前の弥生時代の遺跡から、モモのタネが発見されています。2010年、奈良県桜井市にある「纒向(まきむく)遺跡」から、モモのタネが2000個以上も見つかりました。この遺跡には、三世紀前半の「女王卑弥呼(ひみこ)の宮殿」といわれる大型の建物の跡があります。

当時、モモは「魔よけの果実」あるいは「不老長寿の果実」とされ、「祭祀のお供えや死者の弔いに用いられた」と想像されます。2000個以上ものタネが見つかるほど、大量のモモが使われていたことから、「モモの果樹園のような場所で栽培されていた」と考えられています。

モモの花