
人生100年時代と言われる昨今ですが、生き生きと健康なまま天寿を全うするには、どうしたら良いのでしょうか?日本抗加齢医学会専門医である日比野佐和子先生に伺いました。
「細胞再活性化」で、若返りも夢ではないって本当ですか?

日比野佐和子/ひびの・さわこ
医師・医学博士
ー目次ー
「老化」と聞いて思い浮かべるのはどんなことでしょうか。白髪、肌ツヤがなくなること、老眼、筋力の低下、骨粗鬆症など、あげ始めたらキリがありません。「老化」とは、一言で言ってしまえば加齢とともに起こるありとあらゆる生体機能、臓器機能の衰退です。
それらの症状に対して、今までのアンチエイジングでは、肌なら肌、骨なら骨、内臓なら内臓、それぞれの治療法で対処してきました。
しかし、自然に任せていれば、各部の「老化」はほぼ同時並行的に起こります。それはなぜなのでしょうか。

写真を拡大 老化によっておこるからだの変化
「細胞」に着目することで、その秘密がわかります。
生命の基本単位は「細胞」です。老化の起こっている部位では、必ず細胞も機能低下しているということがわかってきました。つまり一つところの細胞に機能低下がみられる頃には、他の場所でも同様に細胞が機能低下して、全身に老化症状が現れてくるということなのです。
見た目が若々しい人は、臓器も健康であるということが多く、細胞の老化の程度が、見た目と健康年齢を決めているということも多くの調査から明らかになりました。全身で約37兆個あると言われている細胞が次々とくたびれることで起こる「老化」という現象は、私たちの避けられない運命でした。
ところが今、最先端の研究で、細胞を再活性化できれば、「老化」という機能不全をいっぺんに解決することができるかもしれないと言われているのです。