思いがけない病気や住まいの変化、孫にかかる費用など、シニア世代の夫婦には、40、50代の頃とはまた違ったお金の動きがあるようです。4組の家計簿をチェックし、支出の実態や不安の種を調べました。後半は、夫が自営業の場合とすでに退職しているケースをみてみましょう。

 

~マリコさんの場合~

体がもつ限り働き続けたい

会社員の場合は、否応なしに退職という区切りに直面させられる。では、定年のない自営業の場合はどうだろう。

マリコさん(70歳・奈良県在住)の夫(74歳)は、配置薬品業といって、医薬品を家庭に置く仕事を自営で行っている。マリコさんは、若い頃は自宅でクリーニング店を営んだり、得意な裁縫をいかして洋服の直しを請け負う仕事をしていたこともあったが、今は専業主婦だ。

現在の収入源は、夫の自営業の収入と夫婦2人の国民年金。

支出をみると、食費が比較的少ない。これは、小さな田んぼや畑を持っていて、自宅用の米や野菜を作っているから。また、卵は近くの養鶏場で安く買ったり、ご近所さんと物々交換して食材を手に入れたりしているので、食費が抑えられるのだそうだ。

マリコさんは、もともと節約が趣味というほどのやりくり上手。自営業者の妻として家計を管理してきたそのやり方は、昔も今も変わらない。

そんななか、ここ何年かで増えてきたのは孫たちに使うお金だ。孫は高校生が2人、小学生が1人。

「近所に住んでいるので、しょっちゅう遊びに来ていて、一緒に外食にも行きます。孫たちは育ち盛りの男の子なので、食べる食べる(笑)。お金は夫が小遣いのなかから支払っていることが多いですね」

健康であれば、いつまでも仕事を続けることのできる自営業。夫は、働けるところまで働くと意欲満々だ。ただ、マリコさんの目には、年齢とともに疲れやすくなったように見える。40代の頃の半分のパワーになっているのではないかと。

「いつかは仕事を辞めるときが来るでしょうね。そうなったら、これまでと同じように孫にお金はかけられないかもしれない。それに、この先、自分たちのことで子どもたちに迷惑をかけないためにも、出費は抑えておかないといけないですよね」