日本の草花を四季に応じて紹介する『日本の花を愛おしむ 令和の四季の楽しみ方』(著:田中修 絵:朝生ゆりこ 中央公論新社刊)から、いまの季節を彩る身近な植物を取り上げ、楽しく解説します。今回のテーマは「【山椒】」です。

 

雄株と雌株がないと実ができない!

この植物は、山に自生したり、家の庭に植えられたりします。春には、黄色がかった小さな花を多く咲かせます。この木の性質がよく知られていないため、「なぜ、サンショウの木には、花は咲くが実がならないのか」という悩みがもたれます。

サンショウでは、雄株と雌株が別々に分かれています。「雌雄異株(しゆういしゅ)」という性質で、イチョウと同じものです。

雄株は花粉をつくる雄花を咲かせ、雌株はタネや実をつくる雌花を咲かせます。そのため、実をつくるためには、雄株の雄花にできた花粉が雌株に咲く雌花につかねばなりません。一本の木では、実がならないのです。