コロナ禍、空前のペットブーム

コロナ禍中に急成長したのがペット業界だったのは世界共通らしい。英国はもともと動物好きの人が多い国であり、「もしかしたら人間より動物のほうが大事ですか」と思うほど動物愛護にもうるさい(いや実際、「人間より動物が大事」と公言する人たちもいる)。こういう人たちがコロナ禍で孤独にさらされるとどうなるかと言えば、ペットを飼い始めたり、すでにペットを飼っていたのに数を増やしたりする。こうして空前のペットブームが起き、人間の洋服や食べ物の店はどんどん潰れ、ペットの服や食料を売っている店に取って代わられているのだ。

実際、ふだんは滅多なことでお金を使わない人たちが、ペットのこととなると急にデレデレとなり、「高いドッグフードじゃないと、うちの〇〇はお腹を壊すから」とか、「好きそうな玩具があったからつい買ってあげちゃった」とか言って財布の紐を緩める。ママ友にもそういう人がいる。彼女は消費社会や資本主義に批判的だったはずなのだが、愛犬のためにはめっちゃ消費して資本主義を支えている。

動物病院も大忙しだそうで、コロナ禍中にペット保険の保険料が急上昇したにもかかわらず、加入者が増えている。そういえば、わが家の猫が数年前に小さな手術を受けたとき、保険に入っていなかったので20万円近い額を請求されて連合いが驚き、猫が術後にぐったりして何も食べない様子を見て、真顔で説教していたことがあった。