三人は顔を見合わせて、パッと花が咲くように笑った。「ホムホム、生涯現役!」「永久不滅!」「カードのポイントじゃなくて!」と快哉を叫び、ハイタッチを交わして、連れ立ってレジに向かう。
 その背中を、孝夫は呆然と見送るしかなかった。
 ふと、あきれ顔でこっちを見る美沙の視線を感じた。
 だよな、わかるわかる、と孝夫は苦笑して言った。
「あの三人、よくやってくれるよ。親としては感謝するしかないんだけど、ちょっとアレだよな、あいつのこと美化しすぎっていうか、誤解してるんじゃないか?」
 すると、美沙の表情が微妙に変わった。あきれ顔から、あきらめ顔へ──まなざしは孝夫に向いたままだった。
「……どうした?」
「わかってないのは、あなたのほうじゃないの?」
「はあ?」
「あの人たち、ケンちゃんのことをすごくよくわかってくれてる」
「でも、負けず嫌いとか頑固者って、さすがに──」
「意外と負けず嫌いよ、あの子」
 ぴしゃりと言って、「ああ見えて頑固なところもあるしね」と付け加える。
「いや、だから、『意外と』とか『ああ見えて』が付いてるうちは、やっぱり──」
「そこを見つけるのが親なんじゃないの?」
 表情には、微妙な寂しさまで交じってきた。
「一目でわかるんだったら赤の他人に任せればいいでしょ。でも、わかりにくいけど、ここがいいところなんだ、って……親が見つけてあげなきゃ、誰が見つけるのよ」
 でしょ? と訊かれると、黙ってうなずくしかない。
「ケンちゃん、あの人たちがいて幸せだと思う」
 熱烈なファンだから、ではなく──。
「ケンちゃんのことを信じてくれてるのがうれしい」
 そして、孝夫に言った。
「あなたは、あの子のことをたくさん心配してくれるけど、あんまり信じてあげてないのよねえーっ」
 最後に語尾を伸ばしておどける。それがせめてもの優しさや思いやりだとわかるから、今度もまた、孝夫は黙ってうなずくしかなかった。