日本の草花を四季に応じて紹介する『日本の花を愛おしむ 令和の四季の楽しみ方』(著:田中修 絵:朝生ゆりこ 中央公論新社刊)から、いまの季節を彩る身近な植物を取り上げ、楽しく解説します。今回のテーマは「【牡丹】」です。

 

他の花では太刀打ちできない風格

この植物は、初夏に、直径15~25センチメートルにもおよぶ大輪の花を咲かせます。花の色は、白、赤、ピンクなど多彩であり、花の中のオシベの色もあざやかです。

光沢のある花びらを大きく開く花の風格は、他の花では太刀打ちできません。そのため、「花の女王」といわれ、中国では「花王(かおう)」とよばれます。

この花と取り合わせの動物は、ライオン(獅子)であり、「獅子と牡丹」となったり、「唐獅子と牡丹」であったりして、百獣の王を相手にできる植物の代表なのです。

西洋の「花の王様」がバラなら、東洋の「花の王様」は、ツバキと並んで、ボタンです。シャクヤクの花とよく似ているので、間違われることがあります。日本郵政公社の九州支社が2007年に発売した切手では、ボタンの花に誤ってシャクヤクの花が使われて、販売が中止されたことがあります。