日本の草花を四季に応じて紹介する『日本の花を愛おしむ 令和の四季の楽しみ方』(著:田中修 絵:朝生ゆりこ 中央公論新社刊)から、いまの季節を彩る身近な植物を取り上げ、楽しく解説します。今回のテーマは「【木槿】」です。

 

朝に開き夕方には萎れてしまう「一日花」

ムクゲは、背丈は数メートルに育ち、夏に、直径10センチメートルを超えることもめずらしくない大きな花を咲かせます。

朝に開き夕方には萎れてしまう、「一日花(いちにちばな)」です。そのため、「この世の中の栄華ははかない」ことを意味する故事に、この花は「槿花(きんか)」という名前で使われます。「槿花一朝(いっちょう)の栄(えい)」「槿花一日(いちじつ)の栄」や「槿花一朝の夢」などです。

一つひとつの花の寿命は短いのですが、夏の初めから秋までの長い期間にわたって、花が次々と咲きます。人間の背丈ほどの高さの木に、1日に50個くらいの花が咲くこともめずらしくはなく、1シーズンに1000個くらいの花が咲くこともあります。

そのため、韓国では、「窮(きゅう)することが無い花」という字が当てられ「無窮花(ムグンファ、またはムキュウゲ)」とよばれ、「国花」に選ばれています。